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｢‥‥んっ｣
静寂の世界が広がる中。最初にそれを壊したのはソファーで横たわる人物だった。
寝ぼけたような小さな声。それにより京香が目覚めたのだと悟る。
考えるよりも早く。無意識にスイッチをポケットへと戻す。
瞼が開かれパチッとした目が俺へと向けられる。
大きな目。吸い込まれそうになるような綺麗な瞳が俺を視界に捉える。
なんて言葉を掛けたらいいだろう。そんな疑問が頭の中を飛び交うも、良い答えが中々、見つからない。
言葉に詰まり動揺しながらも俺ははんば無意識に口を開いた。
｢お、おはよ｣
俺の言葉に京香の目は一層開かれる。
刹那。
｢‥‥っ｣
思わず情けない声が出そうになったのを慌てて噤(つぐ)む。
予想外。あまりにも不意を突いた展開になんて声をかけたらいいかも分からずただ、されるがままの状態。
自分が抱きしめられることに気づいたのは京香が動いてから少し経った頃だった。
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