愛し

7/9
前へ
/78ページ
次へ
「京香」 自分で分かるほど声が震える。だけど、恥ずかしいという気持ちは全く湧き出てこない。 今まで募ってきた思い。 気づいたの期間は短いけどけど好きだった期間はずっと昔から。 この素直な所が。 笑顔が。 優しさが。 ――――ずっとずっと好きだったんだ。 徐々に再び上がり出す心拍数。 細胞は冬眠から覚めたかのように活発になりだし俺の体温を上昇させる。 言えばどうなるだろうか。 笑うかな。驚くかな。喜ぶかな。それとも――――。 迷うことなく。小さく深呼吸をし。 想いを声に変える。 「好きだ」 俺の声だけがリビングに鮮明に木霊した。 ―――――
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加