一難去ってまた一難

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翌日の早朝。 「あがっ!」 始まりを示すのはいつもの、デコピン。こんな日常が実は幸せなのかもしれない。 「おはよ」 変わらない言葉。違う事と言えば、おれと同じ顔の向きに京香の顔がある事くらい。 布団の上でお互い寝っ転がったままなのだから当然と言えば当然か。 京香の顔を見ると胸は痛むが、昨日よりは幾分かましだ。 好きではなくなる。そうなるには程遠いが、両想いになりたいと言う願いには諦めがついた気がする。 「おはよ」 考えを中断。だいぶ、遅れた返事に一切不満そうな顔をせず口を開く。 「大丈夫?寝れなかったの?」 その言葉の意図を探り、目が重い事に気がつく。よっぽど腫れたのだろうか。 「あー、大丈夫だ」 惨めさからか。はたまた、恥ずかしさからだろうか。 自分でも分からず繰り出した、生返事に京香はキョトンとした顔を見せた。 悩むような困惑するような可愛らしい表情に見とれると同時に胸にズキズキと痛みが襲う。 ああ、思ったより重症なのか。 そんな事を考えながら心を落ち着かせるため、部屋を出た。
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