日常

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「ちっ!」 厄介な事になった。そう、小さく舌打ちを零す。 背後を再度確認するが、やはりいるのは1人だけ。リーダーだけが追いかけて来ている。 考えろ考えろ。 頭を働かせ今の状況を整理する。 俺のいる場所はトンネルの中腹。敵の数は3人。 1人は背後から。じゃあ残りはどこにいる?そんな自問をしてみる。 だが、現実で分かっているのはそれだけ。残りの2人の居場所なんて知る由も無い。 どこだ。 考える。働かない頭をフルに回転させ推測する。 俺は途中で敵を拡散させた。だから、その分他の人よりタイムロスした。 じゃあ他の2人はどこに。必死に答えを探す。限られた情報の中で。 なぜ、こんなにも離れているのにリーダーは俺を見失わずに追いかけて来れたのか。最初にそんな疑問が浮かぶ。 すぐに気づいた。バラバラのパズルが繋がっていくように。 そして俺は―――― 「はぁ」 ため息をつく。この状況に。あまりの疲れに。運の悪さに。 本当に今日は熟(つくづく)運が悪いな。 前提として敵は俺の構える店の位置を知っているだろう。だから、リーダーは俺を見失っても追いかけて来れた。 なんたって、俺の構える店までは一本道。この大きな道路を少し小道に逸れれば辿り着く。 逆に言えば、俺の構える店まではここを通らなければならない。 時間は無い。リーダーはもう既にトンネルの入り口付近まで迫ってきている。 だが、トンネルの出口の側で残り2人も待ち構えているのも大方見当がつく。 どっちに転がっても八方塞がりの状態だった。
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