Act.04:正体。

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「(いくら何でも恥ずかし過ぎる)…質問時間終了。オヤスミ」 「待て」 「………何」 「明けてから発つ気か?」 「当然。“睡魔が来ては戦が出来ぬ”って言うだろ?」 「…そうか」 「(呆れて訂正する気にもならん、ってかこの金髪)…んじゃ」 4人にそう告げ、部屋から出る。ふぅ…と溜息を零し、薄暗い廊下を静かに渡る。 それにしても、なかなか鋭い奴がいたもんだ。天然で無垢な奴ほど的確に核心を突いてくる厄介者はいない。正直言って、そういう種類は苦手だ。例え外見に出さず影に覆い隠しても突き刺さるように心を捕まえる。そうなってしまえばお手上げ。もう降参。 特に今回は新種だ。匂いだけでの判別なんて聞いた事がない。なんたる規格外。違う意味で恐縮だ。…いずれこの世界の者でない事がバレるのは時間の問題かな。なんて推測してみたり。考えすぎか。 「…自然の匂い、なぁ」 くつくつと嗤いが込み上げる。 幾多にも及ぶ数を殺め、屍の血を纏い、穢れ、錆ついたこの身を…生けるものに命を与え濁りなどない純粋な緑の匂いだと言うのか。 実に不可解だ。私でも知らなかった匂いに気付いたと言うのに、何故ああ言ったのか…きっとそれは彼にしか解らないんだろう。 「ちくしょ、自分で片せってか」 部屋に戻ってみればまだ(息絶えた)妖怪がオネンネしていた。割られた窓もそのままだ。…処理とかしてくんなかったのかよ。 もう何回目になるだろう溜息を吐き、印を組む。「荼毘」そう小さく呟き妖怪を視界に映した。まもなくそれからは蒼い焔が灯りだんだんと呑み込んでいく。血が流れ染み付いた紅はもうない。あるのは蒼の一色。 ──懐かしい、色だ。 闇を閉じ込めた硝子色の淡い蒼。しかしながら視るもの全てを見透かしているような余裕に満ちあふれたあの色が…隊長の、ナルトの瞳と似ていて、酷く懐かしいと感じる。帰りてぇなー。なんて思わず呟いてしまうのは淋しさから。ホームシックだろうか。でもそれでも、仕方ない。 「止め止め。ネガティブなんざ柄じゃない」 私の居場所は、 隊長(ナルト)と副隊長(シカマル)の所だけなんだ。だから早く巻物を取り返す。…帰りたくない奴なんかここにはいない。 月が西に姿を沈め、早暁が現れる ──もうすぐ、夜が明ける。 ,
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