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Act.04:正体。
「うわーーん!」
「「「「…は?」」」」
さっきの威勢はどうした。
四人の心が一つになった瞬間はなかなかレアだと思う。いや、今は感動に浸っている場合ではない。
目の前の光景が大事件なのだ。
妖怪を殺めても無表情でいて、尚且つ生意気で血も涙もなさそうな面をした少女(千薙)が…泣いている。それはもう怯え震える子犬か子猫のように。
「お嬢ちゃん大丈夫かい!?
ケガは…ケガはない!!?」
「だい…ヒック…大丈夫、です…っ
……黒髪、の男の人が…助けてくれて……」
「そうかい、命拾いしたねぇ。
さあこっちへおいで。温かいものでも飲んで少し落ち着きな」
「は、い…」
駆け付けてきた店主に支えられるように歩き出す千薙。すれ違い様に『後で話す』そう口パクで4人に言うと、口角を静かに歪めて千薙は部屋を出ていった。
「…何なんだアイツ」
「それにしても、素晴らしい演技力でしたね。さっきの」
「演技?あれマジ泣きじゃなかったの!!?」
「ちっ」
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