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「あ、なあ!兄ちゃんの名前は?」
「…紫昏。呼び捨てでいい。
そっちは?」
紫昏は暗部名ではあるがまぁそれでもいいだろう。あながち間違いではないし、例え暗部名で名乗ったとしてもこの世界ではただの名前にしか聞こえまい。それにこの姿だって───
「俺は悟空!孫悟空なっ
んでこっちが──」
「猪八戒と言います」
「俺ぁ、沙悟浄。悟浄でいいぜー」
「…………。
第三十一代唐亜玄奘三蔵」
「…………は?」
「あはは.やっぱりわかりずらいでしょうね。
僕らは三蔵って呼んでますよ」
「(短縮すりゃいいのに)えー、悟空に八戒に悟浄に三蔵…な。
よろしく」
「おう!よろしくな!!」
まぁ、思わぬ所での出会いだ。こういうのも悪くない。それから俺達は他愛もない会話で盛り上がった。話しによれば三蔵達は旅をしているらしい。いろいろと事情があり、西に向かっていると言う。思わず、青春かよ。って笑えば、八戒と同じ事言うな。と突っ込まれる。いや知らねーし。
「むー、眠ぃ…」
「おーおー、オネムの時間か?子猿ちゃんよ」
「そういう貴方だって目が充血してるじゃないですか」
「イヤそれ元々」
「…俺は寝る」
「俺もそろそろ…」
お先。と片手をブラブラ振って席を立つ。おやすみー。と反してくる声を耳に入れながら、情報収集は明日でもいいか。なんて投げ遣りにボーッと考え、自分の部屋へと足を運んだ。
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