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「…残念だが、離すのはお前の方だよ、志乃介!お前はここで死ぬ…そして、桜美は店に戻って死ぬよりも辛い仕置きを受ける事になるんだ…お前のせいでな!!」
八雲は桜美を担いだまま片手で脇差を鞘から抜くと、自分の足首を掴んでいる志乃介の腕に思い切り突き刺す。
しかし、志乃介は表情を歪めながらも手を離すことはなく、それどころか更に力を込める。
「チッ…意地でも離さねぇってことか………だったら面白ぇ…桜美、自分の目にしっかりと焼き付けておけ!お前のような奴に惚れちまった男の末路はこういうもんだってな!!」
妖しい笑みを浮かべた八雲は志乃介の腕から脇差を引き抜くと、そこから少しずつ位置をずらしながら何度も志乃介の腕を突き刺していく。
「いやぁぁ!志乃介様!やめて八雲!!」
桜美は担がれながらも自由が利く腕で八雲の手を止めようとするが、すぐに振り払われて志乃介の腕への攻撃が再開される。
「志乃介様っ!お願いします、手を離して下さい!私のために、これ以上志乃介様が傷付くのを、見たくない…」
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