始まり

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ジリジリと互いに距離を詰めていく 「ふんっ」 そんなピリピリした空気を完全に無視した紅がいきなり飛び出していった 恐らくいつもみたいに多少の干渉は覚悟でごり押すつもりだろう 後ろを見るとあやねの姿はない 毎回思うがあやねは何処にいるのだろう? 実は普段から一緒にいるためこうして-ナニカ-を一緒に崩壊させることも多い だから俺らの間には暗黙のルールがある あやねはいち早く安地に避難し俺の覇邪気-クロノティス-を強化してくれる それを受け俺が-ナニカ-を崩壊させていく 「ロ・クロノティス」 ほらきた ………… ……フッ... 拓也は消えた 気付けば一つ目の-ナニカ-にクロノードを切りつけたところだった 綺麗に急所に当てていく 刃筋は寸分の狂いもなくクロノードは滑るように切り落としていく 3回程切ったところだろうか早くも一つ目が崩壊した この速さが『疾速のyst』の通り名の由来だ ここあたりでは少し有名になっている しかし後ろから2つ目が迫っていた 拓也の左手にはいつの間にか小さなクロノードのような黒い針と呼ばれるものが握られていた この距離なら感覚で当たるな… 後ろ手に投げられたそれは正確に急所に吸い込まれていく 入り込んだそれは中で飽和しているはずの負の力-ダグノティス-を吐き出す 耐えきれなくなった安い媒体は破れ、崩れ、腐り落ち、塵となる まるで存在などしなかったかのように 「ぬぅぉぉぉおおあああぁぁぁぁ!!!!!!」 向こうで紅が2つを一気に切ったところだった 紅のは切り裂くと言うより押し切るってイメージだ だから『豪腕のcrn』って言われるんだよ笑 ………スッ 見るとあやねが立っていた肩越しに最後の一つが崩壊していく 全くなんでそんなところで美学を見いだすのか 理解ができない だから『冷美のosa』って言われるんだよ だからネラーに長って言われるんだよ
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