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――さて、こうして高級焼肉店であるじゃじゃ苑の個室で、ホムラと面を向かわせている訳なんだが……。注文した肉が来るまでの待ち時間で本題に入るとしますかな。
「それで?彼の有名なエン家次期当主であるお前が、儀式ごときでオレに協力を得ようとする理由を聞かせて貰おうか。……オレが納得する説明を頼むぞ?」
「なんだ、全部お見通しか。お前にゃ敵わねぇな、メリー」
エン家。代々焔を扱う神と契約してる有名な家柄だ。家訓で最初に契約する神は、確か序列40番の火蜥蜴だったか。歴代でも類い稀な才能を持つホムラは、火蜥蜴ぐらいなら簡単に契約出来ちまうんだなこれが。そんな奴が儀式に協力を求めるなんてのは、何か訳有りだっつう事だ。不思議に思わない方がおかしい。
「気付かないとでも思ったのか?……で?まさか火蜥蜴にてこずる訳じゃあるまいな」
そこまで言って、水を口へ運ぶ。喉の渇きを潤す目的だったが、そうは問屋が卸さなかった。
「……実はなメリー、太陽神と契約しようと思ってるんだ」
「ブッ!?」
この野郎、なんて事言い出しやがる。口に含んだ水全部吹き出しちまったじゃねぇか。……まあ吹き出した水がホムラの整った顔にかかって面白いからよしとしよう。
「お前本気で言ってんのか?正気とは思えねぇな。いくら才能があるっつったって、それは自惚れすぎじゃねぇか?。太陽神はエン家の奴が当主になったら契約する、焔系統の最高神なんだろ?序列は確か……」
「7番だ」
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