2人が本棚に入れています
本棚に追加
近くにある弁当屋に歩を進める途中、ふと視線の射止まった先に、一組の親子を見かけた。
「ねぇねぇお母さん、今日の夕飯なあに?」
「今日はねぇ、ミナの大好きなシチューよ。お父さん待ってるから早く帰ろうね」
「うん!」
何気なく、どこにでもある親子の会話だが、俺の闇を蘇らせるには十分だった。
『お父さん達が待ってるから早く帰ろうね』
『きゃあああああ!!』
『なんで、父さん……母さん……』
茫然と立ち尽くす俺を現実に引き戻したのは、携帯の着信音だった。
「よぉメリー。お前明日から暇だろ?オレの儀式手伝ってくれよ」
「……」
「おい、聞いてんのか!?」
「あ、あぁ」
最初のコメントを投稿しよう!