Ⅰ.盗賊メリー

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   いらねぇ事思い出しちまったじゃねぇか、クソッ。大体珍しく弁当買いに、しかも歩いて呑気に行ったのが運の尽き。まるで人生の教訓だなこりゃ。慣れない事はすんなっつう表れだろうなこ―― 「なあ、やっぱお前聞いてないだろオレの話し」   「あ?聞いてるよ。明日からの儀式を手伝えって話しだろ?おあいにく様誠に残念、明日は気が済むまで寝よう!と誓ったばかりなんだなこりゃ。第一オレがお前の手伝いをして何のメリットがあるっつうんだ?え?答えてみたまえよ、ホムラ君」 遠回しにめんどくさい話しを持ち込むなと嫌味たっぷりで警告してやったに関わらず、てんで気にしてない様子で返事が返ってきた。 「損得無しに協力しあえるのが親友じゃないのか?メリー、お前はそんな冷たい奴じゃないってのは知ってるぞ。さあ、冗談はこれくらいにして明日からの段取りをしよう。そうしよう。」 「親友やーめたっ」 「ちょ、あっーー!待て、いや待って下さい!分かった今度焼肉奢るからお願いします!」  何故最初っから条件を提示しなかったのかが不思議でならない。このオレからノーリスクで協力を得ようなどと本気で思ってたのか?コイツ。   ……まあいいだろう。もう少し絞ってやりますか。
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