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永一→「お、弟さんはどうするんだよ?た、た、助けて欲しいんだろ?」
苛立ちのせいか舌が回らない
弟→「あ!僕なら大丈夫です。倒れたフリしてるだけなんで。気にしないでください。」
急に棒読みなセリフを言いながら立ち上がった
永一→(こいつら…俺の純粋な良心を傷つけやがったな…)
女の子→「弟も大丈夫だからとっとと帰っ……」
『ぐぅ~』
言い終わる前に、俺の目の前のボロボロな服を着た姉弟の大きな腹の虫が鳴く音でかき消された
永一→「ん?腹へってんのか?」
今までの苛立ちがバカのようにぶっ飛び腑抜けた気分になる…。
永一→「はははっ!腹へってんだろ?」
女の子→「へってなんかな……」
弟→「はい。へってます。」
弟は一歩前に出てきて感情を感じさせないような声でそういった
永一→「そうか!弟は素直だなぁ(笑)」
永一→(まぁ、見た感じ(服装とか、その他もろもろ)複雑な家庭で育ってそうだもんなぁ…)
二人が俺を見つめてくる。
永一→「よし!これから夕飯だから俺ん家で御馳走してやる!」
これが俺のせめてもの同情だった。
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