scar

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どこからともなく涙がこぼれ落ちた。 笑えるはずもなくて。 どんなに涙を流しても、この傷だけは癒える事が無かった。 ただ涙はこの傷を深く広げていくだけだった。 君は僕から離れ、何処へ行くの? 確かに愛して欲しかった。どんな事が有ってもいつも隣に居て欲しかった。 だけど君は離れて行くんだね。 いつかはこうなる事、判っていた。 信じたくもないけどいつかは来ると知っていた。 だけど少しの望みを信じて。 限り有るわずかな可能性を信じて。 でもあまりにも早過ぎて。あまりにも急過ぎて。 心の準備のできないまま僕は崖の上に立たされた。 僕はこれからどうしろと? 崖から落ちた衝撃は強すぎた。 崖から落ちた反動は僕には耐えられそうにもないほど激し過ぎて・・・。 痛みをこらえながら必死に笑顔を振り撒き、走り回った。 衝撃を忘れる為に・・・。 だけどその行動があまりにもぎこちなくて。 不自然でどこかもどかしく。 自分でも判っている。 弱い所を見られないようにしてる事を。 でも君に知って欲しかった。こんなにも不器用で何も出来ない僕だけど・・・。 ただ君だけを愛し、君の全てを想う人間だったって事を・・・・・・・・。
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