「野球なんかやりたくない」

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だが、由宇は向かってくる恐るべきスピードボールに躊躇することなくバットを出し、いとも簡単に打ち返した。 驚くのはその後も次々と投げられてくる170キロのボールを仕損じることなく打ち続けていることである。 バッティングセンターにボールが唸る音とバットの快音が響く。 「お前、やっぱ野球やった方がいんじゃね?」 いつの間にか片付けを終えて、由宇の背後で様子を見ていた由彦が言った。 「キャッチボールも出来ないのにか?……よっ!」 またも由宇のバットはボールを捉えた。ボールは対面にあるネットに突き刺さる。 「だよなぁ……」
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