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友人達は歩きながら口々に「だりぃ」「タバコ早く吸いてー」だのと溢していた。由宇含めて、全員、制服はだらしなく着崩している。
入学以来、付き合いのある友人達だったが、正直素行の良い連中ではなかった。他の生徒からはあまり関わりたくないと思われている奴らだ。
言うなれば不良という感じである。由宇は自覚はないのだが、自分はそういう部類に分けられているということを周囲の態度や、この友人達が自分には親しげに話しかけてくることからなんとなく察していた。
しかし、自分はグレてるわけでも、見えない敵に反抗しているわけでもない。ただ自分の思う様に過ごしているだけなのに。
………なのになんで不良みたいに思われるんだろう?
由宇は自分が全く校則などを守っていなかったり、目付きが怖かったり、よくケンカしたり、ポケットにはマルボロ、家に帰れば自分の晩酌用のビールがあったり、ということが原因だとは気づかない。自覚がある分、友人達の方がマシな不良である。
由宇達は野球部のグラウンドの横を通る。グラウンドではユニフォームに身を包んだ何十名もの部員達が土にまみれながら白球を追いかけている。
「おーおー、頑張ってんじゃん野球部」
「なんかよ、今学校総出で甲子園出場応援してんだってよ。野球部用のグラウンドもう一つ作る話も出てんだって」
由宇は友人達の話には加わらず、じっと野球部の練習を見ていた。
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