おわりの日

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  タクは暫く黙って俯いていた 「タク…嫌なとこあったなら直すから…お願い、タク…」 どうしてもタクを繋ぎ止めたくて、タクを抱きしめようとしたら手を振り払われた 「…飽きたの」 今、何て言った? 「アンタなら暇つぶしになると思って付き合ってあげてたんだけどさ?もう飽きたの、だから別れて」 「な、何言ってんの…?」 頭が真っ白になって何も考えられない、何を言ってんの? 飽きた?暇つぶし? 自分に突きつけられた言葉が信じられなくて、吐き気がしてきた 「遊びだったんだよ、はじめから」 嘘だと思っても声が出ない タクの顔が見れない 「あ…そ、び?」 「そう、アンタがあまりにもバカみたいに緊張して告ってくるからさぁ…」 タクの顔を恐る恐る見るとタクは笑っていた、俺を見下すように… ああ、俺は騙されてたのか?騙されてたのか?裏切られたのか? 人の気持ち弄んで、よく考えたらコイツ、やりかねない 自分じゃもう止められないくらいに目の前にいるコイツを悪く見てしまう 本当はまだ信じたいのに、悲しみが邪魔して止まらない 「…お前、最低だよ」 「…騙される方が悪いよ」 悲しい、悲しい 「…お前なんか大嫌い」 ああ、もう止まらない  
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