ヒドゥンサバイバル

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「かっくんの言う悪趣味って何のこと?」 「普通の小説家が書いたなら、普通の小説だ」 「相変わらずお堅いね。ベストセラーくらい目を通しておかないと、時代に取り残されちゃうよ?」 そう言うと、むくれた顔をして、まりはそのまま他の部員の方へと向かって行った。 ミーハーのまりだから、全く同じ話題を振るんだろう。 で、暇な科学部の面々だから、そのミーハー話で盛り上がるんだ。 「くっだらね」  何がヒドゥンサバイバル、だ。 子供むけの夢アイテムを、大人用に置き換えただけだろ。 考えるやつも、楽しむやつも幼稚だ。 元々、母親の影響でミステリーものは好きだから、こういうのには抵抗がある。 「俺、先に帰るわ」 部員達がくだらない話を始める前に俺はさっさと帰ることにする。
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