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「この部屋が気に入らなかったかな。最高のもてなしのつもりだったんだけど」
本当に残念そうな顔の男。
「三島明人。大人しくしろ。貴様のような極悪人を野放しにはできない」
銃口を向けられても、三島は驚かない。
それどころか、まるで世間話のように、こちらに語りかけてくる。
「せっかく知り合えたのに、少しくらいお互いを知る努力をしようよ。そうだ。ねえ、君達はヒドゥンサバイバルって知ってる?」
脈絡のない質問に高見は意味が解らない。対して、清原は、その問いかけに応える事が出来るようだ。
「犯罪者の書いた本など、読もうとも思わないな」
「それは残念。いや、知ってくれていただけでも喜ぶべきかな」
三島は笑いを絶やさず、立てかけてあるパイプ椅子を開いた。
「くだらない話はいい。意味がない。それよりも、これから自分がどうなるか、解ってるな、悪党」
凄む清原の方が場違いとばかりに、三島は天を仰いだ。
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