三島明人

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「僕はね、虚しくなったんだよ。色々なものを作り出し、名声を得たところで、僕が本当に知りたい事は解らなかった。なのに、この世界は僕に探求を強要する。自らの意に沿わない研究など、無意味で無価値、そう思わないか?」 「いきなり自己弁護か。何があったか知らないが、人を殺していい理由など存在しない」 「あるよ」 清原に反論する三島は小馬鹿にしたように口の端を持ち上げた。 「もう無機質な探求は飽きた。中身のあるもの――人の感情を知りたい。誰しもが考える事だろ? だから、沢山人を殺してみた」
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