日常 その2

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 そうこうしていると、回りが急速に暗くなってきました。 「お客様、申し訳ありませんが、閉店時間です」  二階へ上がってきた店長のバジル‐ダルクが彼に声をかけました。 「す、すいません」  彼は素早く立ち上がりました。 「あの、また来てもいいですか?」 「はい、いつでもお待ちしております」  バジルの言葉に感謝しつつ、そのまま歩いていきます。 「お客様、ギターケース、お忘れです」  バジルに言われ、慌てて彼はギターケースを取りに戻りました。 「ありがとうございました! またのお越しを」  そんな声を聞きながら、彼―柚木奏巳は扉を開けて出ていきました。
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