地獄の意味

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「はぁ……大丈夫か? 皆」 「茉奈が居ない」 「何っ!?」 香音の言葉に晃は叫んだ。 瑛太は心配そうに見上げる。 その頃、茉奈は途中ではぐれたのに気付き三人を探した。 「晃ーぅ、香音ー、瑛太ーぁ どこに居るの?」 皆が居たから此処も怖くはなかった。 茉奈の中に不安が広がり始めた。 「天国の子供か……」 「……っ」 逃げる事が出来ずに茉奈を見下ろす奴は言った。 「……私は地獄の番人 お前に此れをやろう」 「これを三人つけたものだけが天国へ帰れる」 番人はそう言った。 その頃の三人は…… 「はぁ、何て所に来たかな……」 道に迷って迷子になってこの崖を登るなんて…… ぶつぶつ言う晃のズボンを香音が引っ張った。 「どうした? 香音、ちゃんと掴まってないと落ちるぞ?」 「そこ」 「?何がって……」 洞窟の中に地獄の奴らがいて慌てて上がる。 「何でも天国の子供が迷い込んで来たらしい」 「じゃあ、天国へと続く道を塞がなくてはならんな……」 その間、晃は隠れて聞いて居た。
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