第3章

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 目を開ければ、何故か木の板が少し離れた場所に見えた。  ぼうっとする頭を抑えながら、起き上がろうとして体に激痛が走る。  わけがわからないまま、うめき声が出てしまう。  な、なに?  なんでこんなに痛いの?  体は燃えるように熱く、ちょっと動いただけなのに額に汗が噴出してるく。 「あれ? 起きたん?」  女性の声がした方に、なんとか視線を向けると、着物を着た若い女性が少し開いた襖の前に立っていた。 「ああっ、無理して起きたらあかんで? また傷口が開いてしまう」 「傷?」  特に痛む場所に視線を落とせば、お腹に白い布が巻かれているのが見えた。  女性のセリフと痛み具合を考えて、ここに怪我をしているのだろう。
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