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ふと、夢のことを思い出した。
夢で彼は同じような場所から血を出してなかった?
そう思ったとたん、体に痛みが走り、一瞬だけ顔をしかめてしまう。
「ほぅれ、痛むやろ? はよ、横になったらええ」
「……はい」
女性に背中を支えられながら、また横になると、痛みはずいぶんと緩やかになった。
「うちは、富沢 ちよ。あんさんの名は?」
「……淡雪です。松坂 淡雪。淡い雪って書きます」
「淡雪…随分綺麗な名やな?」
「ありがとうございます」
私の名前を聞くと、ちよさんがにっこりと笑う。
名前を誉められるのは嬉しい。
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