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「危うく別の原因で死ぬとこだったぜ…。」
「わ、悪かったって…。」
去年の春、新しく署に配属された警官達の歓迎会の後、アーサーは酔い潰れたフランクをかついで寮に帰ったのだ。
知力専門の彼に、立派な肉をたくわえた男は文字通り、荷が重過ぎた。
背中でわめき散らす彼を、何度放り捨てようと考えた事か…。
アーサーは、ため息をひとつついた。
「良いよ、行こう。」
アーサーは、3階に向かってのぼり始めた。
しばらくすると、アーサーはメアリーに先程「大好き」と飛び付かれた時、とてつもなく嬉しかったことを初めて自覚した。
自分の胸の中にできる、今までにない奇妙な感情。
それを確認することができないまま、彼は歩をすすめていった。
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