第六章 -救出-

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「危うく別の原因で死ぬとこだったぜ…。」 「わ、悪かったって…。」 去年の春、新しく署に配属された警官達の歓迎会の後、アーサーは酔い潰れたフランクをかついで寮に帰ったのだ。 知力専門の彼に、立派な肉をたくわえた男は文字通り、荷が重過ぎた。 背中でわめき散らす彼を、何度放り捨てようと考えた事か…。 アーサーは、ため息をひとつついた。 「良いよ、行こう。」 アーサーは、3階に向かってのぼり始めた。 しばらくすると、アーサーはメアリーに先程「大好き」と飛び付かれた時、とてつもなく嬉しかったことを初めて自覚した。 自分の胸の中にできる、今までにない奇妙な感情。 それを確認することができないまま、彼は歩をすすめていった。
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