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「え?」
思わず聞き返した彼の先には笑顔の少女。
もしかしたら、聞き間違えかもしれない。
淡い期待を抱いたその時、
「なんで私が、あんたなんかと遊ばないといけないの?」
淡い期待を砕かれた。
「いや……」
あまりの気迫に言い返す言葉が見つからないらしい。
男は少女から目線をずらして言葉を探した。
その間にも少女はずかずかと人混みをよけ、男に近付く。
5メートルだったその距離は3メートル2メートルと縮んで行き、やがて肌が触れ合うか触れ合わないかの所になった。
「好みかも…」
「え?」
彼女から出た言葉は男を驚かせるには充分すぎた。
男にとって容姿で褒められることは全くと言っていいほどなく、自信が持てないものの一つだった。
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