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―――キーンコーンカーンコーン…
「きりーつ、れーい…」
学級委員の声が騒がしい教室に、浮いて聞こえた。
あ、もう学校終わったんだ…。
私は、窓側の一番後ろの席という最高のポジションを獲得した。
でもここ最近は春の心地よい風もプラスされて
夢の世界へと誘われるのがしょっちゅうだった。
「行かなきゃ…。」
私は鞄を持って教室を出た。
まだ沢山の生徒が残っていた。
体育教官室って、確か…
隣の棟にあったような。
私の記憶が正しければ、だけど。
隣の棟に移ると、吹奏楽部のトランペットの高音がとても際立って聞こえた。
綺麗な音…。
私も、中学時代は吹奏楽部だった。
でも高校の吹奏楽部はキツいって聞いたから、入るのを躊躇って今は帰宅部。
私は吹奏楽部の音を聴きながら、廊下を歩き回ってみた。
「あ、もしかして…。」
あった。
二階の一番奥。
こんな所にあったんだ…。
鍵はもうすでに開いているみたいで、私は教官室に入れた。
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