体育の授業。

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「仁科先生…?」 いないのかな。 「にっ、仁科なら!」 ビクゥッ!! ――誰? 「仁科なら、まだ来ないよッ!」 振り返ると、そこには脂ぎったおデブさんがいた。 「みゆーたんッ!」 「えっ?!」 みゆーたんって、私の事…だよね。 何、この人…。 私は一歩退いた。 すると。 ――――ガチャリ。 その人は教官室の鍵を――…閉めた。 「なっ、なんですか…?」 こわいよ…。 「みゆーたん、ハァハァ…可愛いね…。おいでよ、みゆーたんっ!」 どうしよう。 誰か。 先生。 「いやぁっ?!」 いきなり腕を掴まれて、床に押し倒された。 「っいた…い。」 頭を打ったみたいで、ボーッとなる。 「みゆーたん、みゆーたん、みゆーたん…。」 のしかかってくるその体重に、耐えるだけで精一杯。 「…んっ。」 助けて、 いやだ、 こわい、 色んな叫びが、出かけては押し殺される。 声にならない、恐怖。 「…っ!」 ただ、体を強ばらさせる事しか出来ない。 「みゆーたん、」 その太くて湿った指が、私の内股をじっとりと撫でる。 「…ふ、ぅっ…ぁッ…。」 ポロポロと零れる涙。 「鳴き声もかあいいねッ…!」 リボンを取られてブラウスを脱がされた。 「ひっ…く、ふぇッ…ゃだ…ぁ。」 その人はカチャカチャとベルトを外し始めた。 私は一気に血の気が身体中から引いてくのが分かった。 「好きだよっ、みゆーたん…。」 あぁ、もうダメ。 抵抗、しなきゃ。 でも、頭くらくらしてて もう無理だ。 …私は、恐怖のあまり意識を手放した。
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