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ふわふわ、ふわふわ。
暖かい春風に包まれて、夢心地。
「―――サボっちゃった。」
桜の木に身を預け、目を瞑りポツリと呟く。
すると、目の前からザクッと地面を踏みしめる音が聞こえた。
「…誰?」
重たい瞼をゆっくりと開けると、そこには――――…。
「…不良少女。」
逆光でその姿はよく見えなかったけど…
その小さく呟いた声は、低く私の中に響いてきて
スラっとしたシルエットが印象的で。
私はつい反射的に心臓をドキっとさせてしまう。
高鳴る鼓動…、
ほんのり染まっていく私の頬は
そう…、
恋の予兆。
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