はじまり

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恐る恐る、目を開けてみると先生がまだ至近距離にいた。 「…。」 やっぱり、綺麗な顔。 長い睫毛は、女の私から見ても羨ましいくらいで サラサラの黒髪は触れてみると、柔らかそうだ。 「…お前、無防備すぎ。」 先生はフッ、と笑って立ち上がった。 「じゃーな、サボり魔。」 そう言って、先生は私のおでこにキスをした。 「…っ?!」 私がおでこを押さえて、戸惑っているうちに先生は去っていった。 私はというと… 急な展開に頭がついていかず、心臓は重労働中。 仁科先生…。 第一印象はカッコよくてクールな先生だったのが たった今、 『変な人』に塗り替えられた。
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