血に淀む真実

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  『アーセナル、後ろ!』 「っ…」 あの日からだ。すばるは変わった。後輩達が入り独立した俺達は以前と同じ目的で人を殺めていたが、奴の人柄だけはがらりと変わってしまっただろう。 すぐに泣いていた、可愛いだなんて言われる奴の姿はそこにない。言葉もあまり発しない。 ただ、悪人を撃ち殺す。 「エースは‥亮は、覚えていないんだと」 『今まで殺った人数を?』 頷くすばるはどことなく寂しそうで、くしゃりと長く伸びた髪を撫でた。 『お前は、ちゃんと胸に留めておけよ。死ぬほど苦しんだんや』 だからこそ、銃を捨てるべきではないと。それが言いたかったのだ。奴もそれをきちんと理解しているだろう。 「あのガキも…」 『ん?』 「いや、」 なにが言いたいのかはなんとなく理解が出来た。でもそれを聞かなかったのはまた過去に足が向いてしまいそうになるからで。 『頑張ろうな』 「あぁ‥せやな」 血に染まる身体が真実だ。 俺達は、汚い朱を絆と呼ぶことにしている。 拭っても、落としきれないのだ。 それが、永遠に続く俺達の……。 === もうぐだぐだ/(^o^)\  
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