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僕、ミズキ=ヨシカワは緊張していた。
恐らく、人生で最も恐ろしい緊張だろう。
その緊張の元を探るには、少し時間をさかのぼる必要がある。
僕はドアを開けた。
これから会う人たちはどんな人なんだろう。
優しくて、楽しい人たちだといいな。
ロリっ娘がいるといいな。
兄貴分的な人がいてもいいな。
そんな思いを胸に抱きながら――。
ドアを開けたその先には、自分よりも年下であろう人が座っていた。
「面接会場へようこそ」
彼は何か言ったが、僕は聞いていなかった。
なんだここは!?
まず、さきほどの少年の右側には見たこともないような動物。
ネコに見えなくもない。
そして、左側には室内なのにサングラスをかけている、自分と同い年くらいの人。
ぶっちゃけ、いちばんの緊張の理由はこの人にある。
理由。
いやいやいや。
つまりは、……こ、殺されそう?
彼は凶器を持っているのだ。
ナイフ。
でも僕にはナイフの知識はないので、果たしてそのナイフが人を殺すためのものなのか、リンゴの皮を剥くためのものかは判断できない。
そして、その奥には妙に露出度の高い服を着た女の人。
なぜか、お盆を持って立っている。
この人にあう形容詞は「キレイ」だな、とかなんとか思ってみたり。
最後、さっきの人が「キレイ」ならこの子は「カワイイ」だろう。
しかし、この女の子はどういう趣味をしているのだろうか。
普通――とくに女――のひとならば、いやがるであろう、趣味をしている。
よく見ると、さきほどの女性は、その子からいちばん遠いところにいる。
まぁ、その子は、爬虫類の類の動物戯れているわけなんだが。
いや、戯れている、というより、拷問しているといった感じだ。
そうして、この部屋にいる人全員を見回したあと、
「それでは、そこにお座りください」
帽子を被った男の子から声がかかった。
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