プロローグ

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「ほらエミリちゃん」 ……。 えっと、喋るまで見た目の観察でもしてよう。 頭には頭巾を被っていて、白いワンピース。 なんだか生気を奪われたような目をしている。 年齢は7歳くらいってとこか。 「エミリー」 「……」 グラサンナイフ……えっと、タイガも急かす。 まあ、もう名前分かったし別にそんな無理にやらせなくても……。 「仕方ないですね。取ってください」 ターボが溜め息をついてから言う。 取るって、何を? 「てい」 「いやあああああああぁぁ、あ、あ…あー?」 タイガがエミリーの頭巾を外した瞬間悲鳴があがったが急に失速し悲鳴をあげた本人が首を傾げて、ってなんだこれ。 「ちゃお!ボクちゃんはエミリーだよ!ヨロシク☆」 ……は? 「うわああああ!またこんなの触って!どっかやってよお!」 「あーはいはい」 ……へ? 「えっとですね。この子はいわゆる二重人格ってやつでして」 「拾われっ子なんだぜボクちゃん!」 「頭巾を取ると」 「どこ生まれか分かんないけどたぶん8歳」 「性格が変わるんです」 「ボクちゃんはここのマスコットキャラクターだよ!」 「爬虫類も苦」 「好きなものは平面!」 「手になり」 「あ、おにーさん知ってる?」 「一回黙ってください!!」 ……おおう。 ……黒いぞ。 「今、ボクが説明してるんです」 「でもでも、自分の説明くらい自分でするもん!」 「……」 「……」 暫しのにらみ合い。
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