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告白の返事はしたものの、これからどうすればいいか分からなかった。
「そんな不安な顔しないで下さいよ。何もとって食おうとしているわけじゃありませんし。今は」
……今は?
「ね、もう一回キスしていいですか?」
うっとりとした表情の萩原がどんどん顔を近付けてくる。
うげっ。
いくら端正な顔だからって、男の俺には気持ち悪いに越したことがない。
俺は萩原の胸に手をあてて、距離を置くように力を加える。
「付き合うけど、最初はお友達から始めるからなっ」
「え?そんなこと言わないで下さいよ。精力旺盛の高校一年生に」
胸に押しあてていた手が、萩原に握り締められていた。
「もう、俺のですよ」
「……俺は、俺のもんだっつーの!」
その言葉に、萩原は爆笑した。
何故だ?
「いいな、先輩。落とし甲斐がありますよ」
「うっ、なんだよ、その笑み」
「いえ、じゃ、一緒に帰りましょ?」
……げっ。
「やだ」
「なんで?」
「用事があるから」
「俺も付き合います」
あーー、くそ克也。
パフェは食えねえし、萩原に絡まれるし。
全部おまえのせいだ。
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