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ニッコニコの萩原が、俺の後ろをついていく。
「せーんぱい。カバン持ちましょうか?」
「はあ?」
「だって、俺、先輩の彼氏ですもん」
「ただのパシリだろっ、それ」
一睨みすると、萩原は嬉しそうな表情をした。
「あはは、優しいんですね」
……しまった。
カバン持たせりゃ、ちょっとは評判下げられたか?
いやいや、んなことできない。
自分のものは自分で持たなきゃいけないよな。
「ね、用事ってなんですか?」
「もうねーよ」
……あー、ちくしょー。
思い出したら食いたくなってきた。
デビルズチョコレートパフェ。
あーー、なんでそういう時に限って、デニーズが数十メートル先に。
つい視線がそっちへいってしまう。
「先輩?」
「……な、なんだよっ!」
あまりに食いたくなって、一瞬イッてしまった。
「俺、腹減っちゃった」
「へ?」
「ね、入りましょ?」
…
…
萩原の指差す方向には、デニーズ。
……ゴクリ。
いやいや、俺、コイツに甘党ってばれるわけにはいかない。
「ほーら、いきますよ?」
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