1

11/21
前へ
/528ページ
次へ
ニッコニコの萩原が、俺の後ろをついていく。 「せーんぱい。カバン持ちましょうか?」 「はあ?」 「だって、俺、先輩の彼氏ですもん」 「ただのパシリだろっ、それ」 一睨みすると、萩原は嬉しそうな表情をした。 「あはは、優しいんですね」 ……しまった。 カバン持たせりゃ、ちょっとは評判下げられたか? いやいや、んなことできない。 自分のものは自分で持たなきゃいけないよな。 「ね、用事ってなんですか?」 「もうねーよ」 ……あー、ちくしょー。 思い出したら食いたくなってきた。 デビルズチョコレートパフェ。 あーー、なんでそういう時に限って、デニーズが数十メートル先に。 つい視線がそっちへいってしまう。 「先輩?」 「……な、なんだよっ!」 あまりに食いたくなって、一瞬イッてしまった。 「俺、腹減っちゃった」 「へ?」 「ね、入りましょ?」 … … 萩原の指差す方向には、デニーズ。 ……ゴクリ。 いやいや、俺、コイツに甘党ってばれるわけにはいかない。 「ほーら、いきますよ?」 .
/528ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9000人が本棚に入れています
本棚に追加