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腕をつかまれ、目の前にはウエイトレス。
「あ、圭ちゃん」
「よお」
毎週のように行くので、ウエイトレスとはすでに顔馴染み。
いつもこっそりオマケしてしてくれる。
どうだ、校内だけじゃないだろ。
俺のモテっぷり。
「……二名で、禁煙お願いしたいんですけど」
ニコッと萩原が笑う。
ポッ、と言わんばかりに頬が赤くなるウエイトレス。
「は、はい!ご案内します♪」
…
…
な、なんだ、その“♪”は!
「圭ちゃん、あの人格好良いね」
と、耳打ちされる始末。
……んがっ!
俺の聖地にコイツを連れて入るんじゃなかった!
「せーんぱい。何にします?」
メニューを俺の方に向け、ニコニコと笑う。
萩原よ、こんな時間に俺が丼なぞ食うわけなかろう!
デブの素だぞ!
へっ……?パフェはいいんだよ、別腹だからな。
「……俺、コーヒーでいいわ」
目の端に映る、デビルズチョコレートパフェ。
ああ……。
いっそ店に入らなければ、よかった。
萩原は俺の様子を見て、クスッと笑った。
「先輩、ヨダレ滴れてますよ」
「ふぇっ……!?」
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