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「別に無理強いはさせないですよ、先輩に嫌われたくないし」
……へっ?
「じゃ、食べちゃいますね」
…ぱくぱくぱく
萩原はどんどん、俺の(正式には違う)パフェを……
うぐぐ……
でもな、コイツに弱み握られるのはな。
ぐう。
「……せーんぱい。目が俺のスプーンに釘づけになってますよ?」
萩原はクスクス笑う。
「はい、あーん」
「は?」
「あーん、したら食べていいですよ」
にこにこしながらスプーンを俺の口に持っていく。
「…んなことできるかっ、ばかっ!」
「じゃ、俺が食べちゃいます」
ひょいっ、とスプーンが萩原の口に運ばれる。
唇についたチョコレートを、舌で綺麗に舐めとる姿は……女が恍惚の表情を浮かべそうないやらしい感じ。
「頭に血が昇る甘さですね」
ぷっつん、と俺の何かが切れた音がした。
「…ーん」
「なんですか?」
「口、開いてるだろ!分かれよ!」
きょとんとした萩原は、すぐにクスクスと笑って、スプーンを俺に近付けた。
「先輩、あーん」
ああ、すげえ屈辱。
だけど我慢した分、すげえうまいよ。ちくしょー。
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