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「はい、あーん」
「……おい、おまえ食わなくていいのか?」
ずっと食わせてもらってなんだが、最初食べただけで萩原はその後口にしていない。
こんなにうまいのに。
「先輩に食べさせてるのが、胸がいっぱいですから♪」
「……変態か、おまえは」
あ、いや、男が好きな時点で色々アウトか。
別にホモもレズもおかまも差別しないが、好意の矛先が自分にくると思うと、また別問題。
っつうか、俺、コイツとキスしちまったんだよな。
萩原の厚い唇をみる。
やわらかくて、気持ち良かったな……。
……って、違うって!
「おまえが食わないなら、自分で食うよ」
「ダメです。それなら、無理にでも自分で食います」
萩原は細長いスプーンで溶けたアイスとコーンフレイクをすくいとり、口にした。
「あ、」
「なんだ?」
「間接キス、ですね」
…
…
いまどき間接キスではしゃぐのはおまえくらいだ、萩原。
っつうか、そんなにスプーンを綺麗に舐めとるな!変態っ!
「おい、変態」
「……先輩、ひどいです。彼氏なのに……」
「いいから舐めるのやめろっ」
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