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「しっかし、おまえって奴は外見を裏切るよなー」
克也がしみじみと言いながら、俺の頬についている生クリームを拭った。
「学園ナンバーツーのおまえが、超がつくほど甘党で中身がアホだなんて」
「……アホじゃねえよ。勉強は出来る方だぜ?」
「そっちの意味じゃねーよ」
克也は頭をポリッとかいた。
「なぁー、今日部活終わったらデニーズいこーぜ」
「……なんか恒例になってんな」
「こういう日はデビルズチョコレートパフェ食わねえとやってらんねー」
俺は萩原からもらったキットカットを食いながら言うと、克也を口を抑えた。
「おまえ、よく太らねえな」
まあな。だって、ちゃんと体型維持のために運動してるし。
俺はにやっ、と笑ってピースした。
――――
「萩原くーん」
部活が始まると、黄色い声が聞こえる。
つい最近まで俺に向けられた声だというのに。
今や――
はあっと、溜息を吐く。
「せーんぱい」
「うわぁ」
萩原が俺の顔を覗き込んできた。
俺より背が高いため、少し体を屈めて。
くそっ、くそっ、くそっ。
すげーー、むかつく。
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