1

4/21
前へ
/528ページ
次へ
「しっかし、おまえって奴は外見を裏切るよなー」 克也がしみじみと言いながら、俺の頬についている生クリームを拭った。 「学園ナンバーツーのおまえが、超がつくほど甘党で中身がアホだなんて」 「……アホじゃねえよ。勉強は出来る方だぜ?」 「そっちの意味じゃねーよ」 克也は頭をポリッとかいた。 「なぁー、今日部活終わったらデニーズいこーぜ」 「……なんか恒例になってんな」 「こういう日はデビルズチョコレートパフェ食わねえとやってらんねー」 俺は萩原からもらったキットカットを食いながら言うと、克也を口を抑えた。 「おまえ、よく太らねえな」 まあな。だって、ちゃんと体型維持のために運動してるし。 俺はにやっ、と笑ってピースした。 ―――― 「萩原くーん」 部活が始まると、黄色い声が聞こえる。 つい最近まで俺に向けられた声だというのに。 今や―― はあっと、溜息を吐く。 「せーんぱい」 「うわぁ」 萩原が俺の顔を覗き込んできた。 俺より背が高いため、少し体を屈めて。 くそっ、くそっ、くそっ。 すげーー、むかつく。 .
/528ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9000人が本棚に入れています
本棚に追加