めかくし。

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差し出された三国志のカードの中にはレアカードもあって、ボクは興奮してしまった。 「遠藤、本当に好きなんだな」 「うん!だってさ、ワクワクしない?」 彼は苦笑しながらも、ボクに体を寄せてカードの説明をする。 ボクとは違うタイプ――知宏と同じ華やかな人種だというのに、三国志への知識が深くてびっくりだ。 「なあ、これから一緒に対戦しに行かないか?」 思わず頷きそうになるが、ボクは慌てて首を横にふった。 「と……長田くんを待っているから、今日は行けないよ」 「そうか。じゃあ、また誘うよ」 「うん!」 ボクは純粋に対戦仲間が増えて嬉しかった。 しゅーもカードゲームをやっていたけれど、今は洋服や美容院代にお金を使うことを優先にしてしまい、なかなか対戦することがなかったからだ。 「遥!」 いつのまにかサッカー部の練習が終わっていたらしい。 ドアを勢い良く開けて知宏はボクを迎えに来てくれた。 「せっかくだから、一緒に帰る?」 ボクは対戦仲間をみつけられて、少し有頂天になっていたと思う。 その言葉を後々後悔するなんて思いもしなかった。 .
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