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「……ハハッ。なんで柔道やレスリングにたとえるんだよ」
やさしい手つきで頭を撫でた知宏はいつもの自信のある表情だった。
そして耳元で囁かれる。
「遥の言う通りだよ。遥は俺の中で一番だ」
「ふわぁ……くすぐったい」
耳に軽く息を吹き掛けられ、ゾクゾクッとする。
「ごめん、ごめん」
ガチャッと玄関のドアの鍵を締め、知宏はボクを抱き抱えてベッドに連れていった。
「と、知宏?」
何をされるかはすでに学習済み。
だけど、いきなりの展開に頭がついていかない。
「遥が俺のモノだって、確認しようかなって」
「え、あ、ひゃあっ」
ネクタイを解かれ、ボタンを一つずつ外されていく。
「ココ、かわいいよね」
「ん~っ!」
知宏の指先が器用に動き回る。
「とっ、知宏!」
「何?」
必死に彼から体を離そうとすると、知宏は怪訝な顔つきでボクを見た。
「きょ、今日はボクがやる!」
「え?」
「ボクだって、知宏がボクのモノだって思いたい」
強引に知宏を押し倒して、ボクは貪るようにキスをした。
「知宏……すき」
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