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うわっ、俺、萩原とキスしてる。
有り得ない事実にジタバタするも、ロッカーに押しつけられて逃げ場がない。
っつうか、なんでコイツこんなにうまいわけ?
すげーー、腰にクるんですけど。
「……ん……はぁ…」
ようやく解放されると、萩原がニコッと笑った。
「だめなら奪うまでですよ」
ゾクッ
いつもと同じ笑みなのに、やたら威圧感がある。
やべー、コイツ。危ない奴だ。
俺が恐怖でビクビクした後、萩原が耳の付け根にちゅっ、とキスをした。
「先輩、すごく色っぽいです」
耳元で囁かれたのもあり、どんどん鳥肌が立っていく。
「……萩原の、ばか!」
罵倒したはずなのに。
なんで、そんなに嬉しそうな顔してんだ。コイツ。
「ね、先輩。付き合いましょ?」
「……だから、俺は男だし、おまえのことが大き……」
「だいき?」
萩原は首を傾げて、俺の目を覗き込んでくる。
……待てよ。
どうやら萩原は本気で俺のことがすきみたいだ。
っつうことは、コイツの評判を落とすことも簡単にできんじゃね?
俺はニシシッと笑った。
「いーぜ!付き合ってやる」
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