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次の日、軽い足取りであの店を訪ねようとしていた日和。
昨日の夜、感情的にならぬようと決めて話し合いをした。
途中同じ過ちを繰り返しそうになった日和だがそれでも必死で父親を説得するかのように話をし、結果彼と会ってくれることになったのだ。
そのお礼を言いに訪ねてきたのだが…。
「ない…」
確かに昨日まで会ったはずのあの店がどこにもないのだ。
「道、間違えてないよね?」
独り言を呟くも風にさらわれるだけだった。
その後、彼女が再びあの店を見つけることは出来なかった。
「また一つ、良い事をしましたね」
薄暗い店内で彼はガイドの隣で紅茶を飲んでいる。
「連れてきたのは俺だがな」
そう言って鼻を鳴らすガイドに
「そうですね」
そう言ってにこやかに笑っていた。
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