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「ちょっと待ってってば!」
父と喧嘩して家を飛び出してきた。行くあてもなく公園のベンチに座っていると導かれるように目の前のこの黒猫に出会った彼女。
春日 日和(カスガヒヨリ)
普通の家庭で育ち、数年前社会に出たごく普通のOLだ。
付き合っている彼との話を父にしたところ大喧嘩となり、そして飛び出す結果になってしまった。元々気の強い日和は父とよく対立することもあったが、今回だけは押さえていようと決め、話をしたのだが、一方的な物言いに結局は口論となってしまった。
ため息しか出ない。
考えは浮かばない、
そんな中、目の前でじっと自分を見つめる黒猫に何かを感じたのかもしれない。ついてこいというような態度はきっと日和自身が弱ってるからそう見えただけかもしれない。
それでも、今は何かをして自身の気持ちを紛らわせたかった。
そして…。
黒猫を追ってたどり着いたのは…。
「アンティークショップ?」
不思議そうな顔で店を見上げた。
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