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「こいつは。あ、ガイドって名なんですがね。困ってる人をここへ連れてくる役目を持っているんです」
そう言って日和の目の前に紅茶を出すとガイドへ視線を向ける。
「困ってる人…」
「えぇ。」
そう言ってじっと見つめられるとなぜかぽつりぽつりと話始めてしまった。
結婚したい人がいる事。父と口論になり家を飛び出してしまったこと。父が結婚を認めてくれないこと。話してからふと初めて会った人に話していることに気がつくと慌てて誤魔化す。
「いいんですよ。それが私たちの仕事ですから」
そう言って笑う彼に思わず俯いてしまう。
「良かったらこれを。」
そう言って差し出されたのは小さな懐中時計だった。
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