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「少しだけ。時間を戻すことが出来るんです」
にっこりと笑う彼から懐中時計を受け取るが明らかに信用出来ない。時間を戻すなどということが出来ないことは大人な日和には十分理解している現実だ。
すると彼はゆっくりと懐中時計を持つ日和の手に自身の手を添えると時計の時間を戻し始めた。
「2時間。戻してみました。もう一度お父様とお話してみてはいかがですか?」
「そんな事…」
「現実的じゃないと言いたいことはわかります。しかしながら。それが私どもの役目なのです」
そう言って笑うと家へ戻るように促す彼に半信半疑で家へ戻って行った。
「日和、おかえりなさい」
「あ、ただいま…あのお父さんは?」
自宅に戻ると母が出迎えてくれる。そして帰宅した時と同じように聞いてみると…。
「今お風呂入ってるわ」
ーさっきと同じ!
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