序章【継承と剣】

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  『魔導兵器オルブハイトの砲と、聖霊王エルカフィスの召喚……。そんな絶望的状況の中、お前はよくやってくれた。だから、これ以上自分を責める必要はない』 『…………』  ラスタリカの言葉に頷きもせず、ただ無言の返答を貫き通すユリウス。そんな彼の苦悩を察してか、ラスタリカもその事についてはあまり深く言及するつもりはないようだ。  再び訪れたしばらくの静寂の後、ラスタリカは先程と同様の語気でユリウスに問いを投げかけた。 『ユリウス……お前はこれからどうするつもりだ? 第八世界の創造については聞くまでもないが、彼女――ナギの事を放っておく訳にもいかないだろう』  氷牢の中にいるナギの方に一度目をやり、どこか居たたまれない様子で話すラスタリカ。  そんな彼の悲痛そうな問いに、ユリウスは感情のこもらない声で淡々と答えた。 『彼女を外界に解放し、ここ――聖地サヴァリムは次の創造神候補が現れるまで封印する』  説明口調で続けながら、おもむろに懐から四つの光り輝く宝珠を取り出すユリウス。それらは別々の光色を放っており、順に青、赤、白、黒の四色だ。  しかもそれらの宝珠はまるで生きているかのように浮遊し、ユリウスの周りで綺麗な円の軌跡を描いて回っている。  
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