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「ねぇ、入学式って何時からだっけ?」
栞がこちらを向く。時計は8時55分をさしていた。
「ああ、たしか9時………」
「………」
「え……?」
その場が凍った。
時計は8時55分をさしていた…
時計は8時55分をさしていた…
とけ「「ああぁ遅刻だああっ!!」」
しまった…栞が起こしに来てくれたとしても、栞が時間を間違えるという選択肢を忘れていた…
「ど、どうしよう~…」
栞が泣きそうな目でこっちを見てくる…
「お、おい、泣くなよ…」
「だって、ゆぅ君との高校の入学式は一回だけなんだよ…それに出られないなんて……」
へぇ…意外にかわいいじゃないか…
じゃなくて!!
「とにかく走るぞ!!」
俺は鞄を拾い上げ、栞の腕を掴んで、ドアノブに手をかけた。
「あ!ゆぅ君!!」
「今度はなんだ!?時間ないぞ?」
「あの…そうじゃなくて……服……」
ああ、俺パジャマだった。
完全に遅刻だなぁ。
ああ、俺のハイスクールライフに初日から×(遅刻)が付くとは…
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