Prologue

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「……………」 入学式の間ずっと、栞はそっぽを向いたままだった。 ちなみに、式には少し遅れてしまったので、新入生が座っている列より少し後ろに座っている。 「お~い?栞さ~ん?」 「……ゆぅ君に……ゆぅ君に抱きしめられた……」 「お~い………」 「ゆぅ君に…………」 もうダメだなこりゃ。完全に自分の世界に浸ってしまってる。 さて、栞の頭が故障してる間に、光が丘高校について紹介しておこうか。 光が丘高校は、全校生徒約900名の私立高校で、頭はそこそこのレベルだ。 そうとは言っても、街で唯一の私立高校とあって、いわゆるお嬢様のような立場の人も若干通ってきていて、全体的には穏やかな学校だ。 女子高だったころの名残が残っていて、男子より女子生徒の方がやや多い。 入学式を終えたあと、新入生は自分達のクラスに入って行くのだが、そこでまたひとつ事件が起こった…
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