Prologue

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「………………グスッ…」 栞はほとんど泣きそうな顔をしていた。 1年5組 クラス名簿 秋山 雄汰 上田 順平 小川 慶子 …… 1年8組 クラス名簿 飯島 栞 ……… なんて喋ってやったら良いんだろうか?励ました方が良いのか? 「まあ、なんて言うかその……ドンマイ!」 その瞬間、ついに栞が泣き出してしまった。 他の生徒が大勢いる前で。 さらに大声で。 「ちょっ!!泣くなよ、おい!こっちまで恥ずかしいだろうが!」 初日から「女の子を泣かせた奴」なんて称号が付けられたらたまったもんじゃない。 俺は必死に栞をなだめようと努力した。 「だって……違うクラス……ヒック…なんだよ……ゆぅ君と……グスッ…一緒に居られなくなるんだよ…?」 ちくしょうカワイイ事言ってくれるじゃねえか… でもな栞、そろそろ泣き止んでくれないか…? ほら、周り(特に男子)から冷たい視線が俺にあつまってるよ… 「まぁそう言われてもなあ…決まってるモンはしょうがないし、諦めろよ?中学生の時ずっと一緒だったから、それで良いだろ?」 「良くないもん!!ゆぅ君と一緒じゃないと嫌だもん!」 栞が駄々っ子になってしまった… どうしたものか……
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